自殺取り扱い説明書

フェンスを登り降りた深雪は
恐る恐る後ろを向いているクロに近付いた。

「あっ、あの…。」

「ああ!深雪様!お帰りなさいませ。
わざわざありがとうございます。」



ニッコリ笑いながら言うクロは
モデル並みに顔が整っていた。



遠くから見てもイケメンだと思っていたが、近くで見れば破壊力はすごかった。



切れ長の目に透き通った肌、薄い唇の横にはホクロがあった。



かなりイケメンだったが、全てに疲れていた深雪にはそんなことはどうでもよかった。






「深雪様、こちらを。」


そう言ってクロが差し出したのは名刺だった。


真っ黒の紙に白い文字で


『死者捕獲社
クロ』
と、だけ書かれてあった。
< 10 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop