千日紅の咲く庭で
私がお礼を言って車から降りると、岳は運転席から急に真面目な顔して、私を見つめてくる。

「何?」


かち合った視線から逃れたくて、わざとらしくつっけんどんな言い方になってしまった。
岳は小さくため息をついて、視線を泳がせた。

「花梨、お前が背負っているもの重すぎて潰れそうな時は、俺が半分持つから。いつでも頼っていいから。」

岳の言葉、不意打ち過ぎて破壊力抜群だよ。

鼻の奥がツンとした。

ツンとする前に一気に涙が溢れてきそうだったから、ぐっと奥歯を噛みしめて上を向いた。
涙がこぼれないようにしようと思った。


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