千日紅の咲く庭で
Globe amaranth
岳と気持ちが通じ合って初めての週末を迎えた。
気持ちが通じ合った翌日から岳は出張に出かけてしまい、結局昨日まで会えずにいた。
よく聞き慣れた岳の携帯のアラーム音が、いつも以上に私の近くでけたたましく鳴り響く。
いつもならソファーとテレビ前という同じ部屋でも両端の離れた所で眠るのだからアラーム音だってこんなに近くでは聞くことはないはずなのに。
「もう…」
カーテン越しの部屋の明るさから、もう太陽が昇り始めて随分時間が経っているのが分かる。
私は鉛が入ったように重たい身体を、無理矢理ベッドから引き離すようにして起こすと、隣でモゾモゾと動く岳が視界に入ってきた。
視界に入ってきた岳は、上半身裸で、その細い身体のラインに鍛えられた筋肉が浮かび上がっている。
私は見慣れない上半身裸の岳が。私の隣――ものすごい至近距離に居ることに驚いて飛び起きた。
ベッドから飛び起きたはずの私だったけれど、飛び起きたは良いもののすぐに近くにあったブランケットを体に巻き付けた。
だって岳だけじゃなくて、私だって裸だったのだもの。