千日紅の咲く庭で
「今さら何で恥ずかしがってんだよ。ガキじゃあるまいし。花梨、昨日の夜、結構色っぽい声出してたじゃん」

「ちょっと、岳やめてよ」
意地悪に肩を揺らして笑う岳の言葉に、昨夜の情事が鮮明に思い出される。

私は恥ずかしくなって、すぐにベッドに戻り、岳の口を塞ごうとした。

それなのに、岳は勢いよく飛びついた私をいとも簡単に抑え込んで、啄むようなキスを浴びせた。

「花梨だって、裸じゃん」

岳は耳元で私に囁いたせいで、私は一気に体中に熱を帯びた。

だって、さっきまで体を隠していたはずのブランケットは、岳に勢いよく飛びついたせいで私の手の届かない位置に投げ捨てられていて、今私の身体を隠してくれるものはない。


「誘ってんじゃねぇよ、バカ」

岳は意地悪く笑うと、もう一度私の唇を塞いだ。

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