千日紅の咲く庭で
真っ赤な顔して私の言葉を否定する岳が、私の知っている小さい頃の岳と同じような表情をしているから、なんだか可愛らしいとも思えてくる。


「私、岳の気持ち分からなくはないよ。」
「だから、やきもちとかじゃないから。バカ花梨、何言ってんの?」

岳は私を目を細めて睨んでくるけれど、今日は顔中真っ赤な岳だから、本気で怒っていない事くらいすぐにわかる。


幼馴染にやきもち。私だって、その気持ちは分かる。

だって、私も同じように岳のことやきもちをやいてしまったことを思い出してしまったから。



まぁ、今の岳には私の話なんて聞くことさえ嫌なんだろうけど。

やきもちだなんて認めたくもないのだろうけど。

< 67 / 281 >

この作品をシェア

pagetop