千日紅の咲く庭で
「粗品のタオルは終わりました。」

「運動会のパンフの箱詰め終わりました。腰痛いっす」

作業を始めてから1時間。

ようやく最後の1つにタオルを入れ終えて、支店長の背中に向かって報告すると、ほとんど同じタイミングで東谷君も支店長に箱詰め作業の報告をする。


ほとんど同じタイミングだったこともあり、2人の声が重なってしまったから思わず東谷くんの方を見たら、視線がかち合ってしまった。


東谷君は、視線がかち合ったのに気付いたようで、私に向かって少しだけはにかんでにかっと白い歯を見せて笑った。


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