本気の恋
ープルル プルル

その音だけがあたしの耳に響く。

「もしもし、花恋?!」

ものすごく大きな声で叫ぶようにあたしを確認する沙紀。

「そうだよ。電話入ってたから。それより、何かあったの?興奮してるみたいだけど。」
「さすが、花恋。もう気づいちゃったんだぁ。」
「それで、何があったの?」
「あのね、あたし、花恋には恥ずかしくって言えなかったんだけど、好きな人がいるんだ。」

沙紀に好きな人。
全然聞いたことなかった。

教えてくれなかったのが少し寂しい。
< 70 / 208 >

この作品をシェア

pagetop