囚われの私
その日。

休みの時間、いちいち話しかけてくる慎吾くん。

私、気に入られちゃったのかなぁ?

まぁ、友達が増えて嬉しいけど。

「ねぇねぇ!沙羅ちゃん!今日、一緒に帰ろ?」

「え?家地元なの?」

「うん!」

驚いた。

「私、南の方角だけど。どっち側?」

「本当?!僕も南側だよ!一緒に帰れるね!」

そんなに嬉しがられると照れるな。

「じゃあ、行くよ。」

「待って〜。」

そんなかんなで、一緒に帰ることになりました。

女子の目怖かった……。

他の女子の方が可愛いのに、なんで私なのかな?謎だ……。

「ちょっと、沙羅ちゃん!聞いてる?!」

「あ。ごめん。ボーとしてた。」

「だからね!沙羅ちゃんって何好きなの?」

「……そ、それ聞く?後悔すると思うから言わない。」

「お願い!教えて!後悔しないから!」

言ったな。

「はぁ。いいよ。私は、アニメオタクで腐女子。そう。腐女子!そして、アニメを愛する私だ!かっこいいキャラクターがいっぱいいるし!萌が何よりもいい!」

「へー。」

反応うっす!

自分から聞いといてなに、その反応。

「なんか、悪いこと言った?」

「うん。だって、僕以外かっこいいって言った。」

「はぁ?」

なにそれ?

「いや、なんでもないよ。」

これって属に言う嫉妬ってやつすか?

今日、あった人に嫉妬されてもなぁ。

「あの。もしかして嫉妬してる?」

「え?………うん。」

マジかぁ。

こういう時どうすればいいんだろう。

ポン

「え?」

「元気出して。やっぱり言わない方がよかったじゃん。慎吾くんも充分かっこいいから、ね?」

「うん。ありがとう。」

「ん。大丈夫だよ。」
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