あなたに憧れて
「本当に懐かしいね?」
『いろいろあったけど(笑)』
「それも今となれば、思い出の一つでしょ?」
『まぁ、戻りたくはないけどね。』
「良い思い出じゃないからね」

二人で当時を思い返しながらコンビニに向かってまた歩き始める。

「そう言えば、さお。大学の卒業式いつ?」
『今月25日』『そっちは?』
「私は、1年浪人したから今年、卒業じゃないの」
『そっか。単位足りなかったん?』
「うんん。社会福祉士の資格を取ろうと思って」
『そっか頑張るね』
「全然だよ…親に迷惑かけてばっかりでさ」
『仕方ないこて、その仕事に就きたいんでしょ?』
「うん」

春菜はいつもそう、両親や姉、祖母の事、家族を想って自分のしたいことを後回しにしてきた。
彼女は私が辛いときに支えてくれた1番の親友。
どんなときも二人で乗り越えて来た心友。
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