あなたに憧れて
初日で、本店と支店での違いに焦っていたとき
出納機の入金の仕方が分からなくて隣にいた谷地さんに
『どうやって入金するんであうか?』と聞いた。


「そんなことも分からないんですか?私より長くこの組合に居るのに」
『でも本店には今日、来たばかりなので・・・』
「私に聞かないで他の人に聞いてください」
『でも皆さん、忙しそうですし・・・』
「私だって忙しいんですよ!?」
『そうかも知れないけど今はお客さんの相手もしてないし、ちょっと教えるぐらい良くないですか?』
「私、あなたのこと嫌いなんです」
『えっ?だから?』
「他の人から教えて貰ってください」
『分かりました。もういいです』


私は西山支店で一緒に働いていた家永さんに、やりかたを教わった。

その日の15時過ぎ

「何で一番、忙しい家永さんに聞くんですか?」
『西山支店で一緒だったので聞きやすくて・・・』
「それだけの理由で家永さんに頼らないでください」
『すみません』
「すみませんで済んだら警察要らないんですよ?」
『そうですね』
「そうですねじゃないですよ!分かってたら最初から別の人に聞いてください」
『だから最初に谷地さんに聞いたじゃないですか』
「・・・」


都合が悪くなったのか谷地さんは席を離れて行った。
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