愛欲
普段、日曜塾は休み。ただ学期に一度くらい、実力テストを行う。今日はその日で、中3生対象だ。もちろん浜野君も来る。昨日、メールで言っていた。私は試験官だ。
試験時間内はとにかく暇で、ボーッとしながらも自然と目は浜野君を追っていた。
(やっぱりかっこいいな…)
その視線に気付いたのか、浜野君が手を上げた。私がそばに行き、声を掛けると、
「呼んでねーよ」と言いながらニタッと笑った。
(やられた…)
その笑顔にもやられたが、まんまとハメられた。少しムカッときて、私は席に戻った。
それから、またすぐに浜野君が手を上げた。
私はわざと知らないふりをした。すると、「先生〜シカトかよー」なんて言ってくる。
仕方がないので重い腰をあげた。でも、どういうわけか、そこまで腹は立たない。
むしろ、そんな意味のない行動を愛しいと思った。
試験時間内はとにかく暇で、ボーッとしながらも自然と目は浜野君を追っていた。
(やっぱりかっこいいな…)
その視線に気付いたのか、浜野君が手を上げた。私がそばに行き、声を掛けると、
「呼んでねーよ」と言いながらニタッと笑った。
(やられた…)
その笑顔にもやられたが、まんまとハメられた。少しムカッときて、私は席に戻った。
それから、またすぐに浜野君が手を上げた。
私はわざと知らないふりをした。すると、「先生〜シカトかよー」なんて言ってくる。
仕方がないので重い腰をあげた。でも、どういうわけか、そこまで腹は立たない。
むしろ、そんな意味のない行動を愛しいと思った。