既婚者社長に溺愛されて!?~9/20に新たに修正済み~

秘書の役割。


あ、男なんだ……。
 ニヤニヤと社長は、笑っているが私は、思わずホッとしてしまう。
 だけど、なかなか優秀というのも複雑な気持ちだ。

「ただなぁ~女性秘書にするか悩んだが、夏希との
これからの事を考えて男にしたんだが愛想の欠片もない奴でさ。
全く面白みがない!」

社長は、不満そうに愚痴を溢してきた。愛想の欠片もない…?
 仕事をするなら優秀なだけでもいいが、やっぱり秘書なら愛想も必要なのかしら?
 社長の機嫌をとるのも大事なことかも知れないと最近思うようになっていた。

 そんなことを考えていたが社長の許可で
翌日には、仕事に復帰することが出来た。
 休み分は、有給休暇で全て処分した。
まぁ自宅謹慎と言う名は、残り会社の皆から痛い視線が飛ぶけど……。
 これも社長のせいだ!
そう言いたかったが喧嘩になるので我慢して頭を下げて挨拶をした。

「今日からまた、よろしくお願い致します」

「あぁ、よろしく頼む。それと、夏希。
 こいつが言っていたお前の代わりに来てもらっていて
これから新しい第二秘書になる栗本だ!」

 社長が代わりに紹介をしてくれた。この人が…?
頭を上げて社長の隣に居る彼を見てみた。
年は…30歳前半ぐらいかしら?
 眼鏡をかけていてビシッと決めているが
確かに愛想の欠片も無いような感じの人だった。

「はじめまして。栗本明雅《くりもと あきまさ》と言います。
よろしくお願い致します」

「あ、こちらこそ佐久間夏希です。よろしくお願い致します」

 私も慌てて頭を下げた。
何だか高圧的で緊張をしてしまった。
 なかなかのやり手らしいけど……。

「じゃあ、そのまま引き続き秘書をやってもらうが……栗本。
夏希に色々教えてもらってくれ」

「承知しました」

 栗本さんが平然と返事した。
でも私は、やっぱり納得がいかなかった。

「やっぱり納得がいかないです。
秘書は、私1人でもやれたではないですか!?」

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