うちは警察。あんたは暴走族。
「みーちゃった。
そんなに、泣くなよー」
入れ替わりで入ってきたのは紫樹だった。
紫樹はうちの頭を撫でると優しく話し始めた。
「見ようと思って見たわけじゃないんだ。
それ許して欲しい。」
亜美は首を横に振った。
「そっ、そんな気にしないでっ」
泣きながら呟いた。
声がつっかかり話しにくかった。
「ありがとう。
いい機会だから言わせてもらうね。」
うちは、なんの話なのか気になった。
このタイミングに話す話とはなんなのだろうか?
「俺さ、あんたのこと好きなんだよ。」
え……
驚きすぎて声も出なかった。
「まさかさ、俺の事あんなふうに思ってるなんて驚きだったよ。俺、あんたのことずっと守りたいって思ってた。それが、こんな風に実になったんだって思うと本当に嬉しい。」
あ、いや、別に本気で言ったわけじゃ…
いや、別に嘘って訳でもないけど…
「まぁ、でも、あんたの最後の言葉が嘘だってことくらいは俺にだって分かってるよ。
あんたの今までの行動見てあの言葉、信じる奴はいないよ。」
「そんなこと…」
「でもさぁ、莉羽も莉羽だよ。
あんたの魅力に気づけないなんてさ。」
でも…私が勝手に莉羽のことを好きになって勝手に浮き沈みしてただけの事。
それで、今日の事故も起きた。
悪いのは自分なのに…
「莉羽のことなんてほっときな?
俺にしときなよ、俺ならあんたのこと守れる。今までよりももっと大事にする。
俺の事しか考えられないようにしてあげるよ」
やめて…
お願い…
「さっきの言葉は思ってもないことなの。
ほんとに後悔してるの。」
やめて欲しい。そう願う亜美とは裏腹に紫樹は止まらなかった。
「ねえ、亜美。
俺の姫になってよ…ね?」
気持ちは嬉しいけど…
「なんで、そんなに浮かない顔するの…?
…嫌なの?
いいよ…強制にでもなってもらうから」
そう言うと、紫樹は、立ち上がり
どこからかナイフを取り出し亜美へと向けた。
「亜美は俺だけの姫だから…」
「いやぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」
紫樹は亜美を手にかけた。
亜美はどんどん薄れゆく意識の中最後に聞こえた言葉は