小さな本屋さん.*・゚
カランカラン___.・


木製の茶色い扉についたベルが鳴る。


「こっ、こんにちは…!」


2年通ってきた場所でも、人見知りの私はあいさつがまだ慣れない。


しばらくして奥からパタパタと足音が聞こえてきて、カウンターにひょっこりと顔を出した店員さん、名前は陸さん。


「あっ、花ちゃん。こんにちは。今日も来てくれてありがとうね。」


そして優しく微笑んだ陸さん。
歳は教えてくれなくて、でもきっと20代前半だと思う。


身長がとても高く、 さらさらな髪の色はやわらかなブラウンで、 顔もとても整っていて、 優しくて、 笑顔も優しい。
おとぎ話に出てくる王子様みたいな人。


「あ、あの…」


「ん?」


私が声を掛けると、作業の手を止めて私の方を向いた。
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