小さな本屋さん.*・゚
前にも何回かこういう事はあった。
その度に嬉しくて、気持ちが舞い上がる。


私と陸さんは、同じ本に対しての感じ方や、感想が似ている。
だからたまに本を共有するし、感想も共有する。


こんな感じで、中学2年生から高校2年生、今になって陸さんが好きなんだと思う。


陸さんは他とは違って、私と見ている世界が似ているように感じたから。そりゃあ、本に対してだけど。
陸さんのプライベートはなんにも知らないから。
陸さんについて、知らない事が多すぎる…。



陸さんの事を考えていると、奥から陸さんが戻ってきた。


「はい。これでよろしいですか?」


微笑みながら少しふざけたように本を渡してくれる陸さん。


「はい!ありがとうございます!」


「せっかく新品だったのに、ごめんね、僕が読んじゃって…」


「そんな!ぜ、全然、構わないです…」


むしろ嬉しいです…なんてことは口が裂けても言えない。
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