花よ、気高く咲き誇れ
プロローグ








この人だ、そう私の野生の勘、いや、直観が告げた。




蓮井華と何とも、愛らしい名前を付けられた私は、その名前とは少しふさわしくない人物へと成長を遂げた。


外見は女だ、いや、中身も。


だが、なよなよした草みたいな男がはびこる現代、少しだけ、そうあくまで少しだけ勝気な私は男勝りと呼ばれる。


そう、それはあくまで昨今のへにょへにょした情けない男どものせいで私は女だ。


好きな服もパンツスタイル、髪もショート、大声を出して暴れまわり、豪快に笑い、頼れる兄貴、いや姉貴分。


そんな私を親は性別を間違えて生まれてきたと頭を抱える。


男で生まれてきたなら今以上に女の子にモテて大変だから遠慮したいところだ。


女の子がたいていではあったが、幸い社交的で男ともフランクに話せ、見目も悪くないらしい私はそれなりに男にもモテた。


付き合ってみたこともあるが、何だかしっくり来なくて、すぐお別れ。


私には異性とお付き合いとかそういうものが合わないのかもと思いながら高校を卒業した。


そして、意外と勉強もできた私は私立の有名大学に入学し、恋をするのだ。














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