花よ、気高く咲き誇れ

敵は学内にあり









「お前、一体何考えてやがる?正気か?」



 お母さんもどういうつもりだろうか。


 小さい頃から一緒にいる隆弘とは言っても私がいないのに部屋にあげるとは。


 もう男と女と言われるお年頃だとわかっていないのだから、ため息が出る。


 サークルでバスケをして帰ると、私の部屋にはその部屋の主と言わんばかりの隆弘が胡坐をかいて待っていた。



「何が?レディーの部屋勝手に入るあんたこそ正気?」



 気付かないフリをして私はスポーツバックを投げ捨てた。



「『あなたが好きなの。付き合ってくれない?』だぁ~?ほぼ初対面で寝ぼけたこと言って、馬鹿だろ?アホだろ?」



「仕方ないでしょ?好きになったんだから」



 そう、あの爽やかさに心を奪われた。


 あの危うさが、私を突き動かした。


 どうしようもなく欲しいと。


 理由なんて明確にできない。



「お前、ああいうの嫌いだろ?どっちかって言うと俺タイプ……」



 途中で蹴り飛ばす。


 当然だ。


 馬鹿も休み休み言って欲しい。

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