花よ、気高く咲き誇れ
「蓮井さん、おはよう」
「あ、水谷くん!!おはよう」
あれから、私は髪を伸ばすようになった。
そして服も変えた。
先崎さんみたいな服装が似合うとはとても思えなかったが、少しは女らしい服装になった。
家族や綾香、そして隆弘の家族からも評判は良い。
「ハナ。女っぷりが上がったな。前々から勿体ないと思ってたんだ」
本間家長男次男は私の兄貴も同然。
そして、隆弘の兄貴でもある彼らは私のタイプ、というよりは幼少期に隆弘たちに囲まれて育ったから、男臭いのがタイプになったのかもしれないが、とにかく格好いい兄貴分にも大絶賛されて私は鼻高々だった。
唯一、本間家三男坊、隆弘だけは。
「キモいし、全然似合ってねぇー」
と毒吐かれたが、所詮隆弘だけ。
外でナンパされることも多くなり鬱陶しいくらいだが、それは私が女に見えると言うことでご満悦のはず。
だが、肝心の水谷君は何も言ってくれなくて、それだけが不満であった。