花よ、気高く咲き誇れ
いや、駆け出そうとしたら何かに激突して跳ね返った。
「み、宮原さん?」
よろけた私の腕をとっさに掴むのは同じゼミ室の先輩宮原さん。
先崎千里の彼氏。
私を支えてくれるその紳士的な麗しい姿はいつもの宮原さんだったけど、顔は私を見ていない。
険しい表情で二人を見ている。
「悪い。大丈夫だった?」
突然いつもの好青年顔に戻り話しかけられ、私は慌ててコクコク頷くと腕を離して、またね、と立ち去った。
相変わらず好青年の見本市みたいな人だなと思いつつ、その背中を眺めていると。
宮原さんの向かう先はあの二人のところ。
もしや、決闘!?
ボコられても諦めてくれるなら良いかもと思っていたが、水谷君の爽やかな顔に傷はやはりいただけない。
私は慌てて宮原さんを追いかけた。