花よ、気高く咲き誇れ




「ダメです!!暴力は!!弱い者いじめは!!」



「ちょ、蓮井離……」



「離しません!!水谷君が馬鹿なこと言っているのは若気の至りです。大目に見るのが先輩としての務めでしょ!?それでも宮原凪ですか!?宮原凪をそれでも名乗るなんて風上にも置けません!!」



「いや、俺の名前を名乗るも何も……とにかく、わかったから離……」



「良いですか!?あなたの拳は先崎さんを守るためのものなんですよ!!それを……」



 綾香にはああ言ったけど、やはり水谷君の涼しげな顔が変形するのは見たくないと必死で宮原さんを止めていたが引きはがされた。


 宮原さんの綺麗な顔はすごい引き吊りかたをしていた。


 福笑いで完成したような顔だ。



「蓮井……お前、一人で突っ走る癖直してくれ。耳が壊れる」



「校内暴力なんか起こしたら、せっかくの内定取り消しですよ!?感謝してくれても」



「俺は蓮井のように考えなしじゃない」



「……あ、あの。2人ともごめんなさい。葵君と二人で話がしたいので」



 割って入った先崎さんの声に、私と宮原さんは我に返る。


 すると、途端に宮原さんは険しい顔つき。


 というか、触れれば電撃ショックを与えられそうなほどのピリピリムード。


 ゼミ室で噂されている先崎さん大好き病とはこのことだ。



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