花よ、気高く咲き誇れ
「……葵君。やめよう。自分を嫌いになるようなことやめようよ」
自分が可哀相だよ、と水谷君の頭に触れた。
…が、すぐに弾かれる。
「お前の方が子供くせぇのにガキ扱いすんな」
もはや、拗ねた子供の水谷君は先崎さんに絶賛八つ当たり中。
「葵君は素敵だよ。ちゃんと頑張ってる。蒼君に負けてなんかいないよ」
立ち去る水谷君に先崎さんは大きな声を出した。
その言葉から逃げるように歩調を速めた水谷君はあっという間に人ごみに紛れてしまう。