花よ、気高く咲き誇れ
太ってはいないし、むしろ痩せているくらいだが運動だけが取り柄の馬鹿隆弘、筋肉はしっかりついているし、焼けた肌は男らしい精悍さを醸し出してる。
顔もまぁ、癪だが良いし、モテるらしい。
高校が別々でもお隣さんで美人の彼女と手を繋いで帰って来るのも何度も見ている。
「何だよ?人の顔じろじろ見て気色悪い」
この口の悪さも、顔に合ってるし、男らしく映る。
「いや、あんたって意外と私のタイプだな、ってね。ほら草っぽくないじゃない?…って、うわっ!最悪!」
隆弘は口に詰め込んだチャーハンを詰まらせ、咳き込んだ。
チャーハンをボロボロ吹き飛ばす隆弘から自分の冷やし中華のお皿を慌てて持ち上げる。
「…っ、げほ。おまえぇが馬鹿なことホザくからだっ!」
水を飲みながら睨み付ける隆弘に、まぁそうだな、と同意する。
とりあえず、自分の冷やし中華の無事を確認し咳き込む馬鹿隆弘を無視し、再び麺をすすると、今度は隆弘が躊躇いがちに私を見る。
「……何だよ。俺がタイプで、付き合いたいとか?」
ちらちらと私を窺うような視線と共に今度は隆弘がとんでもないことを言い出す。
次に吹き出すのは私の番。