花よ、気高く咲き誇れ
「苦手でも、何でもできる葵にとってはこの程度当たり前なんだよなっ!!お前って本当に人の気持ちわからないやつだよな。いつでも、一人したり顔で……」
「黙んなさいよ!!この猿!!」
私は隆弘に負けじと大きな声、というか怒鳴り声を上げ、体育館に響くほどのビンタをぶちかました。
「黙んなさい!!猿!!あんたに水谷君の何がわかるの!?」
「てめぇーが葵の何知ってるって言うんだよ!?こいつは、人をいつだって馬鹿にして……」
「黙んなさい!!猿!!自分が負けたからって水谷君に八つ当たり!?水谷君を傷つけることは私が許さない!!」
「はぁ!?こいつは俺がバスケにどれだけ一生懸命取り組んでるか知っていて…」
「だから、何?あんたが一生懸命取り組んでるから、手を抜いて負けるのが当然だとでも!?そんなことしたら、あんたはまた喚くくせに。どっちにしても水谷君に当たるくせに!!!水谷君が優しいからって調子に乗るんじゃないわよっ!!猿!!」
「誰がそんなこと言った!?葵は俺より自分のほうが上手いのを知っていて俺を今まで褒めてたんだぞ!?馬鹿にしてんだろっ!!これだから、天才肌のやつは嫌なんだよ。心にもない褒め……」
そこで私の2発目のビンタがさく裂した。
今回は往復ビンタだ。
「黙んなさい!!猿!!何度言ったらわかるの!!このバカ猿!!!!学習能力がない上に、人を見る目もない上に、こともあろうこと、水谷君を八つ当たりして傷つけて!!」
「蓮井さん、落ち着いて。俺が悪い……」
「黙んなさい!!水谷!!私はこの猿と話してるの!!猿!!この手を見なさい」
私の肩に置いた水谷君の手を強引にむしり取り、猿の前に突き出す。