花よ、気高く咲き誇れ




「あっ!ごめんなさい!!私ったら!!おほほほ……え、えっと駅前の喫茶店にいるから」



 水谷母はわたわたしながらドアを閉めた。



「葵!!そういうことは早く言いなさい!!このバカ息子!!」



 大きな声が聞こえる中、私は布団の中に潜り込んだ。


 青くなった顔が赤くなる。


 ど、どうしよう。


 恥ずかしすぎる。


 恥ずかしくて死ねる。


 私は、布団の中で頭を抱え悶えた。










「……蓮井さん。ごめん」



 気遣わしげな水谷君の声に布団を撥ね退ける。



「ど、っど、ど、ど、どっ……」



「落ち着いて。突然、押しかけて来たんだ。本当にごめん」



 大きなため息を吐きながら鬼太郎髪になっている私の髪を耳にかける。


 その綺麗な指にこんな状況にも関わらず、ドキドキしている私は相当エロいらしい。



「あんな姿見られるなんて!!私、今なら死ねる。速攻で死ねる気がする。穴はどこ!?」



「とりあえず、蓮井さん、落ち着こう。ね?」



「こ、これが、落ち着いていられる!?落ち着いていられる!?そうでしょう!?ね!!ね!?」



 私は水谷君を激しく揺さぶり吠えた。



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