花よ、気高く咲き誇れ
「こんにちは。覚えててくれたんだ?隆弘の幼馴染の蓮井華さんだよね。隆弘から良く聞くから、俺は蓮井さんのこと詳しいかも」
やっぱり、爽やかに微笑む水谷君。
初夏の今の時期にぴったりのような男だ。
心の中でガッツポーズしながらも、顔は普通にしながら、何気ない口調で言う。
「隆弘、どうせロクな話してないでしょ?ね、3限ないなら一緒に昼どう?」
昼休みの混雑時間を外して昼食ということは3限がないはずだ。
この間も、昼休みは過ぎて3限の時間だったし間違いない。
案の定、水谷君は頷いた。
話仲間に昇格決定、心の中で雄たけびだ。
本当はラーメンを食べたかったが、愛らしくハンバーグ定食に切り替える。
水谷君とおそろいだ。
ごはんを食べながら、水谷君のデータを集め頭の中に叩き込む。
隆弘とは高校の同級生で1年の頃から仲が良かった、部活は帰宅部で、趣味は書道。
何とも、水谷君らしい。
そして、草っぽい。
ごはんが食べ終わって逃げられ……立ち去られることを憂慮したが、話は弾み水谷くんはさわやか笑顔のまま席にいる。