花よ、気高く咲き誇れ
「どうして、俺のことが好きなんだろう?」
「どうしてって……う、う~ん、爽やかで涼しげで、一緒にいたくて……こういうのって理屈じゃないのよ!!」
難しくて、私は最後には考えることを放棄した。
野生の勘が彼だと、私の本能が彼だと、告げたのだ。
「そうなんだ。そういうんものなんだ。そっか」
彼は独り言のように呟いて、私から視線を逸らした。
全然納得なんかしてないくせに。
「そうよ。そんなもんです。恋なんて」
ね、水谷君。
私があなたと一緒にいたいのは、そんなあなたを救ってあげたいと思うから。
臆病者で嘘つきなあなたを救ってあげたいから。
それは理屈ではなく、あなたが大好きだから。
きっと今のあなたに言ってもわからないだろうけど。
私があなたのこと好きなことだけを知っていてくれればそれでいい。