花よ、気高く咲き誇れ
水谷君と出会って、私はエゴイストなのだと気付いた。
そんな自分を許せないと思うこともない。
自分の全てを認められている。
それだけは、変わらず。
それが私が自分を好きでいられる理由。
私だけは、少なくても私だけは自分を認めてあげたい。
そのポリシーだけは水谷君で何もかもが変わっても貫き通そう。
そうじゃないと、彼が好きな私ではなくなってしまう気がするから。
「ね。綾香お願いがある。先崎さんと話がしたい」
彼女は水谷君にとって特別。
それは恋なのかもしれない。
でも、そう言い切れるほど単純でもないような気がする。
もしも、本当に水谷君が先崎さんを好きだったら私はどうするのだろうか?
知らないフリをして付き合い続けるのだろうか。
それとも…………。
自分が何を選ぶのかわからない。
だけど、このまま曖昧なままではいられない。
「ハナのそういうところが私は大好きよ」
綾香が満足げに笑う姿を見て、私は間違っていないと自分に言い聞かせることができた。