花よ、気高く咲き誇れ
ああ、涙がウザい。
私もいい加減ウザい。
彼のことがまだ好きで仕方がない私がマジウザい。
「でも、そんなアンタをまだ好きな私も変だから、人のこと言えないわ。あーマジ胸糞悪いしっ!!」
「蓮井さん。俺はちゃんと、蓮井さんのこと好きだった」
「はぁ!?ちゃんとも糞もあるか。ボケカス!!そう思い込もうとしただけだろ!?アンタなんか、こっちから振ってやる!!今日でお別れ、さようなら!!」
「本当に小さい頃……夏希が認めてくれたんだ。『誰にも負けてない。葵はすごい子』だって。そう頭を撫でてもらった時にガキながら、夏希にずっと傍にいて欲しい、見てて欲しい、そう思った。一人前の男として認められた気になってたんだ」
「…………」
「千里、それに蓮井さんも、こんな俺にそう言葉をかけてくれた。どうしようもない俺に。それが本当に嬉しかった」
「私や先崎さんにお義姉さんを見ていたわけね」
「千里はそうだったかも。でも、蓮井さんは違う。だって蓮井さんは俺を甘やかしたりしなかった。今でも。ありがとう」
水谷君は真っすぐに私を見る。