花よ、気高く咲き誇れ





 私はその目を真っすぐに見返して、ありったけの勇気を込めるように、私の思いの全てを込めるように、こんな感情が消えてなくなれと、息を吸い込み吐き出す。



「私は。アンタみたいな男が嫌い!!ウジウジジメジメしてて、何も行動しないで、一人で勝手に決めつけて、常に後ろ向きで、何を言っても否定的で、アンタみたいなのといると虫唾が走る!!」


 大声で喚き、訴えたい。

 私がどれだけ水谷君のことが無条件に好きなのか。



「アンタみたいな男は嫌いだけど、水谷葵は何故だか好き!!でも、私は私を嫌いになりたくない。私だけは私を好きでありたい……だから私はアンタに告げる!!」



 咲き誇っていたい。


 切なく涙を落とす花は私には似合わない。


 今日だけ、そう今日だけ。


 これが養分になって私はさらに咲き誇れる。



「義姉を掻っ攫え!!」



「え!?」



「好きなんだろ!?諦められないんだろ!?夫と子供がいても好きなんだろ!?なら、何もかも捨てて、裏切って掻っ攫って、どこかでひっそり暮らせ!!誰が傷ついたって知ったことか!!モラルも理性も関係なし!!奪って掴めよ!!」




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