背中合わせ、そこから一歩。
今思えば、私たちの恋は、
始まった時からすでにすれ違っていたのかもしれない。
無理して続けたメッセージのやり取り。
直接がよかった告白。
タバコが苦手だった私と、吸う先輩。
付き合い始めてもチャラチャラした先輩と、それがいやだった私。
私の好きな食べ物は先輩の苦手な食べ物で、
先輩の好きな食べ物は私の苦手な食べ物だった事。
直接がよかった別れ話。
最初から、最後まで、
すれ違いっぱなしの恋。
頑張って合わせて、頑張って我慢して、
頑張って続けた恋。
いくつもの違和感に、今となっては本物かどうかもわからない"好き"って気持ちを被せては、
必死に紛らわせていた。