背中合わせ、そこから一歩。
次の日、
まさか、部長の腕に包まれて朝を迎えるなんて昨日までは想像もしていなかった。
その日は土曜日だったから仕事は休み。
とびきりの幸せと、昨日の出来事の余韻に浸りながらゆったり過ごせるな…なんて考えていたのだけれど、
現実はそんなに甘くはなかった。
2人とも服を着て、身だしなみを整えて、
とりあえず冷蔵庫から、買い置きしていたコンビニのお惣菜を食卓に並べて、朝ごはんを食べようとした時
「ごめん、俺、嫁と娘がいる。」
彼の口から、信じられない言葉が放たれた。