魔法をかけて、僕のシークレット・リリー
どういう、意味だろう。
素直に首を傾げると、彼は「こんなこと自分で言いたくないけど」と渋い顔をした。
「僕の執事だなんて言ったら、君は絶対に虐められるよ。常に刺激を求めている連中からしたら、格好の餌食になるだろうし」
「そんな、」
「でも君は僕の執事である前に、一人の生徒だった。そのフラットな状態でも昨日みたいなことになってるんだから、今更僕の執事だって言っても、大して変わらない」
もしかして、と一つの結論が自分の中で出来上がる。
「蓮様は、私が虐められないように配慮して下さっていたということですか……?」
だって、そういうことだとしか思えない。
てっきり、私のことには微塵も興味がないどころか、むしろ鬱陶しく思われているのだとばかり。
「だから君はさ、僕のことをサイボーグかなんかだとでも思ってるわけ? そこまで非情な人間に見える? って、昨日も言ったんだけど」
「あ、いえ! 非常に有難いです、そのようにお気遣いいただいて……私は蓮様に嫌われているのだと思っていましたから……」