【短】ライフレター
呆れてデコピンをしたくなったけど、相手は2ヶ月意識不明の女の子。さすがにやめとくか。


愛乃からの手紙を入れている箱を置いといた棚の上には目覚まし時計も置いてあって、もうすぐ母親が病院に迎えに来てくれる時間を示そうとしていた。


「んじゃあ愛乃、オレもう帰るな」


オレは座っていたパイプイスから立ち上がって、コートを着て帰り支度を始める。


全ての防寒具を身につけてから、カバンの中から手紙を出した。


「コレ、今日の分。早く起きて読みやがれ」


オレは愛乃が入院してから、見舞いに来る度に手紙を1通置いていく様にしている。
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