好きだから。
ドンッ!!!!
バシャッ!
「あつっ!!!」
自動販売機スペースに
小走りでやってきた誰かと
ぶつかってしまい
床をココア色に染めてしまった
茶色に染まった床を見つめる
私と、1人の男子
背は私と同じぐらいで
男子の平均身長より低いのがわかる
「あ、あ…………えっと」
「ちょっと!どうしてくれんのよ!」
「えっ!あ、ごめんね!
大丈夫?怪我してない?」
「手にココアかかったわよ!
て言うか、そんなことより!
この床どうすんの!」
「うそっ
手、見せて…」
「いやっ!私の手はいいから、先に
公共の場を!」
「良くない!
ほら、見せて!」
そう言うと、彼は無理やり私の手を取り
顔を近づけてきた
「っ!」
「あー…やっぱり。
赤くなってるね
保健室に行っておいで
ここは、僕がどうにかしておくから」
「えっ………
いや、でも………」
「いいから。
早くしないと、やばいと思うよ?」
少し上から目線のように聞こえる
その言葉にイラッとした私は
「な、なによ………
1年生のくせに、生意気………………」
と、言ってしまった
「え?なんか言った?
保健室の場所、分かるよね?」
ボソボソと言った言葉は、彼に届かなかったようだ
まぁ聞かれなくて、良かったのだけど
「そ、それくらい分かるわよ!
じゃあ、ちゃんと
キレイにしといてよね」
「うん、分かってる
……ごめんね。」
「……………………」
最後のごめんね、に何を返せばいいのかわからなくて
私は返事もせずに、その場を去った