お姫様とお嬢様
トントンと隣を叩かれて少し距離を開けて座った。



「警戒心強いね…。」

「えっ!?そういうんじゃなくて…。」

「イイと思う。女の子だって自分の身は自分で守る時代だしね?」



今日に限って誰もいない屋上は初夏の暖かい風が心地よかった。



それでもやっぱりあたしの気持ちは落ち着かない…。



男の人と二人って言うのがちょっと…。



「乃彩チャンってさ~…彼氏いるの?」

「います!!」

「あっ…いるんだ…。どんな奴?」

「カッコイイ…人です…。」

「やっぱりモデルさん?」

「美容師さんです!!先輩は?」

「俺は~…乃彩チャンが好きなんだよね…。俺完璧に告るタイミング間違ってる~…。」



告る…。



あたしが好き…。



「困ります!!」

「そんなハッキリ言わなくても…。」

「だって彼氏いるし…。あっ、何か凄い傷付ける言い方ですよね!!ごめんなさい…。」



気まずい…。



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