お姫様とお嬢様
涙目じゃん…。



「そんなに俺に惚れてんの?」



俺がちょっと意地悪く言ったらポタポタと涙が落ち始めた。



ここまで泣かれたのは初めてでちょっと焦る!!



「惚れてるからムカつくんだよ!!舜太なんて好きになんなきゃよかった…。そしたらこんなに泣かないしこんなに苦しくナイ!!」



強がりばっかり言ってる愛芽の弱いとこ…。



無性に愛おしく感じた。



「好きになんなきゃよかった?」

「なんなきゃよかった…。」

「そしたら今俺ここにいねぇけど?愛芽にキスしたり抱きしめたり出来なかったけどそれでもよかった?」

「よ……くない…。」

「愛芽だけ好きだから。俺は他の女んとこになんて行かねぇよ…。」



ギュッと抱き着かれた。



あの日を思い出す…。



でも前と違うのは愛芽が泣いてる事。



それと腕に篭った力の強さで俺に対する愛芽の気持ちが伝わってきた事。



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