お姫様とお嬢様
夜はひたすら練習。



『1年で盗むものは全部盗め。まずは見て実践。』



そう言われてこの1年先輩美容師達から技術を盗みまくった。



やっぱり店長は凄い。



でも他の人達も凄い…。



「まだやってんの?」

「あ、お疲れ様です!!」

「せいが出るねぇ。水木、俺はお前のスタイル好きだぞ。」

「マジスか!?」

「何か…。才能っつーのかな?努力もしてるし。俺の後は任せられるかな?」

「えっ!?」

「俺来月で辞めんだ。自分の店出す。」



すげぇ…。



やっぱりここで育つと店を持つ歳も早い…。



「タケチャンも連れてくけど。」

「二人も抜けたらヤバいじゃないですか!!」

「店長が何の考えもナシにそんなにハイハイって辞めさせるわけないっしょ。水木に期待してる証拠。」

「ウソだぁ~!!」

「ははっ!!店長の期待裏切んなよ?じゃ、お先~。」



期待されてる?



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