マザー症候群
小西は、美波が口を開くのを固唾を飲んで待っている。
「愚作ね」」
「・・・」
「何の印象も残らない。こんなコピー恥ずかしくて・・・。クライアントに持っていけないわ」
美波の言葉に、小西の顔は蒼ざめている。
「書き直しよ。もう100案大急ぎでね」
「え~100案もですか。そんなに。わかりました。徹夜で考えてみます」
「100案か。あ~あ」
小西は、大きな溜息を付きながら渋々引き上げて行った。