マザー症候群
修一が光瑠を見て呆れたという顔をした。。
「お母さまがお怒りになるのは最もな事だ。私がお母さまに会って頭を下げた方がいいのではないか」
「いえいえ。とんでもないです。僕が何が何でも説得するつもりです」
波斗が固い決意を述べた。
「それでもお許しが出ない時は、どうするつもりだね」
修一が波斗の心のうちを探った。
「その場合は。母の許しが無くても結婚するつもりです」
「お母さまが反対されてもかね。なぜ、そこまでして、こんな出来そこないの娘を嫁にしたいのかね」
「それは、男としての責任です。それに、誰が何を言おうと、道瑠さんを心から愛しているからです。たとえ、母とそれが理由で断絶する事になったとしても。僕は母より道瑠さんを選択します」
波斗が毅然と言った。
「お母様が反対されても結婚式を挙げてくれるのだね」
「はい、そのつもりです」
波斗が強い信念を持って言った。
「気に入った」
修一と光瑠は顔を見合わせて喜び合った。