マザー症候群
結婚式当日
波斗と道瑠は、快晴の天気とは裏腹に、精神状態は曇天の気分だった。
と、言うのも、美波の許しをまだ取っていなかったから。
波斗は招待状を渡す為に、数日前、実家に行ったが美波は生憎の留守。それで、ドアの隙間にメモを残す事に。
母さんへ
結婚式の招待状をドアポケットに入れておきます。結婚式の参列だけは、無理を聞いてくれるものと信じています。僕の一生のお願いです。結婚式には参列して下さい。
波斗
実際に会って懇願するよりも、このメモを読んでくれた方が、美波は素直に反応してくれるのではないか。
波斗はそう思い、美波が結婚式に参列してくれるものと固く信じていた。が、美波が考えていた事は、波斗が全く予想出来ないものだった。