マザー症候群

 「仲直りするなら早い方がいい」
 修一が仲直りすることを強力に勧めた。
 「ほんならハワイに行こか」
と、気が焦る道瑠。
 「飛行機の帰りの便はわかっているのだろう」
 「わかってる」
 「それなら、飛行場まで迎えに行くのはどうだ」
 修一が飛行場に迎えに行くことを提案した。
 「そうや。そうしよう。関空まで迎えに行くわ」  
 「それがいい。それがいい。波斗君に心を込めて謝って来い」
 「そうするわ。親父、ありがとう」
 道瑠は修一に礼を述べた。
 波斗に会って一分でも早く謝りたい。そして、仲直りがしたい。
 道瑠の逸る心は、早くも関空の到着ゲートに飛んでいた。



< 172 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop