マザー症候群
足は千鳥足。
あっちにふらふら、こっちにふらふら。
何とか、電車を乗り継いで最寄りの駅の地下鉄肥後橋駅へ。
美波、駅を出て会社に向かうが、まだふらついている。
「やばい。酔いが残っている」
「いつもなら酔いが醒めてるのに」
美波は狼狽えた。
「これでは仕事が出来ない」
美波が現実を直視した。
「どうしよう」
「そうだ。喫茶店で時間稼ぎをしよう」
美波が駅近くの喫茶店に入った。
コーヒーをウエイトレスに頼み、水を立て続けに飲む。
美波、ここでスマホから会社に電話を入れる。
「はい、心通です」
営業部の男性社員が出て来た。
「制作部の沢ですけど。うちの連中と変わってもらえない」
美波はろれつが回らないか心配しながら電話を掛けた。が、問題なく喋る事が出来た。