マザー症候群
そう決断すると、水沢は総務部の敏腕部員 山根碧を呼んだ。
山根碧は総務部に入って10年。総務部のマルサと言われ、みんなから恐れられていた。
「部長、何か」
「ああ、山根君。これを見てくれ」
水沢はノートパソコンを少し移動させ、例のメールを山根に見せた。
「何ですか。これ」
山根がメールに目を通した。
「タレコミ・・・ですか」
「ああ。沢部長がアル中だって」
山根の表情が変わった。
「マジすか。誰が・・・」
「犯人は全くわからない。山根君。君真相を調べてくれないか」
「わかりました」
(沢部長がアル中?信じられない)
山根は水沢部長から依頼された任務に大いに興味を持った。
それは、女性の出世頭として恰好良く仕事をこなす。そんな沢に、山根は並々ならぬ関心を持っていたから。