マザー症候群
7話 悪酔いの結末
波斗は実家を訪れた。
道瑠とはうまく関係を修復出来たが、母親美波との関係修復が未だだった。
ピンポン。
ピンポン。
美波は出て来ない。
ピンポン。
これが最後と思い波斗がチャイムを押すと。
「誰?」
美波の蚊の鳴くような声がした。
「俺」
「間に合ってるわ」
そう言って、美波がチャイムを切った。
「まいったな」
波斗がまたチャイムを押した。
ピンポン。
ピンポン。
「うるさいね」
美波の不愛想な声がした。
「お袋。頼むから開けてくれよ」
「仕方がないね。人が機嫌良く飲んでるというのに。全く」
ガチャ。
美波が渋々ドアを開けた。
波斗が美波を見ると、左手に琥珀色の液体の入ったグラスを持っている。
琥珀色の液体はウイスキーだろう。