マザー症候群
美波の本音を聞いて心を痛めたのが波斗。
(やっぱりそうだったのか。酒に溺れる原因とは。薄々はそうじゃないかと思っていたが。お袋の口からはっきりと聞かされると本当にショック。情けないよ)
(ごめんね。お袋を苦しめて。あいつとの結婚がこんな結果を招くとは。思いもしなかった。悪いのは、俺だ。俺が甘かった。いや、甘過ぎた)
自分の至らなさを大いに悔やむ波斗。
ウイスキーをコクコクコク。
うえ~ん。うえ~ん・・・。
美波は、酒を飲んでは泣き、泣いては本音を口にする始末。
波斗は手に取った美波の辞表を見詰め、自分の責任の重さをひしひしと感じていた。