マザー症候群

 道瑠は苛立っていた。
 楽しい新婚生活を夢見ていたが、現実はつまらない糞みたいな毎日だったから。
 悪いのは夫の波斗。
 新婚間もないというのに、夫は実家に入りびたり。
 最近は、家に帰らない日が続いているから、道瑠の堪忍袋の緒もちょちょ切れ状態。。
 「トサカに来たー」
 「波斗のあほが、殺したる」
 道瑠は腸が煮えくり返るほど腹が立っていた。
 波斗に理由を問いただすと。
 姑が酒浸りで体が心配だとか。
 あほぬかせ。
 アル中になりたいのはこっちや。こっちの方や。
 嫁を心配せんか。てめえは嫁と姑のどっちが大事なんや。ぶっ殺したろか。あほんだらがと。
 道瑠は家の中でひとり悶々とした毎日を送っていた。


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