マザー症候群

そこへ、波斗が仕事を終えて実家に戻って来た。
 「ただいま」
 と、波斗。
 「おい、波斗。お前はだらしなさ過ぎる。それでも男か。もっと、しっかり・・せんかい。あかんたれが」
 台所から母親の喚き声が聞こえて来る。
 「いったい何があったんだ」
 と、波斗が慌てて台所へ。
 ドアを開けるなり信じられない光景が、波斗の瞳に強烈過ぎる一撃を。
 母親が流し台にもたれて足を広げて座っている。その横には、半分位になった飲み残しの一升瓶が。
 テーブルの上には、ウイスキー、焼酎、ワインの瓶が散乱している。
 母親と言えば、ぐてんぐてんに酒に酔い大声で訳の分からない事を喚き立てている。
 断酒中のはずが、盛大な酒宴の真っ最中。
 波斗は自分の目を疑った。



 
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