マザー症候群
ある日の夜。
道瑠はネオンの海を彷徨った。
あてもなく漂流し、道瑠は一軒の店に辿り着いた。
カウンターに席が10席ばかりあるどこのでも有るようなスナック。
「注文は?」
マスターが右の端の席に腰を掛けた道瑠に声を掛けた。
「ええーと」
道瑠が迷っていると。
「ご馳走するよ」
一人の男性の客がマスターに合図を。
「例のワインをあちらさんに」
「好きなだけ飲んでくれ」
男の客が言った。
「ありがとう」
客に道瑠が礼を述べた。