マザー症候群
ピンポンピンポン。
と、玄関のチャイムが鳴った。
「入って」
と、受話器を取って美波。
「お邪魔します」
玄関に入り、道瑠が小さく会釈。
玄関には誰もいない。
(未来の嫁が挨拶に来ているのに。出迎えも無しか。へえ、そうなんだ)
道瑠が不満げに小さく独り言。
奥から何やら人の話し声が。
波斗の先導で道瑠がキッチンに行くと。
「お袋、来たよ」
と、波斗。
「ああ、適当に座って」
と、不愛想な美波。