マザー症候群
「優しく言っておきます」
照れたような顔で遊。
「よろしくね」
「この後どうします。俺は構わないけど」
遊はその気みたいだ。
「今日は止めとくわ。彼女が私の所へ来なくなるよう上手に言いすくめてくれれば、またね」
「じゃ、その時」
游は、少し心残りのような複雑な顔をして帰って行った。
游のスマホの待ち受け画面が美波から凛に変わったら。
(凛はどんな反応を見せるかしら)
凛の反応をあれこれ考えると、知らず知らず美波の顔から笑みが零れた。